教習所で行う適性検査は何のために行うの?内容についても解説します。
- 2021.07.21
- 運転免許豆知識
教習所に入ると、誰でも必ず最初に受けるのが運転適性検査。
学科や技能の講習の前に、個々人の運転に対する適性を見る検査ですので、これで落ちたりということはありませんが、何のために、どういうことをやるのかわからないと不安ですよね。
そこでここでは、運転適性検査の目的や、種類と内容、その結果でわかること、また適性検査を受ける際の注意点とコツについて解説していきます。
適性検査の目的
運転適性検査は、その名の通り運転の適正度を測るための検査です。
その目的は、運転操作に対する速さや正確さ、運転傾向や癖、自分の性格や運転行動など、自分では気づきにくい部分を客観的な視点で確認し、把握することにあります。
またこの結果から、教習所での学習方針(安全運転のためにどういう運転技術を重点的に学ぶべきなのか)、運転免許取得後の安全運転に繋がる指針にもなるのです。
適性検査の種類と内容
適性検査の種類は2種類。
1つ目は「警察庁方式K型」で、1970年前後から主に公安委員会指定の教習所で用いられている実績ある検査です。
運転時の動作の速さや正確さ、判断力や衝動性などを測定する6項目のマークシート式テストと、検査員が読み上げた問題に対して「はい」「いいえ」の2択で答える心理分析テストの合計7項目によって運転適性を検査します。
2つ目は「OD式安全テスト」で、民間企業で開発された運転適性検査です。
こちらも1967年から全国の自動車教習所で広く実施され、高い評価を受けています。
検査内容は警察庁方式K型と同様、「はい」「いいえ」の2択で解答するマークシート式です。
「運動機能」「健康度・成熟度」「性格特性」「運転マナー」の4つの観点から検査を行い、検査領域ごとの全16項目を評価します。
適性検査の結果でわかるタイプ分類
「警察庁方式K型」では、A(状況判断力)、B(動作の正確性)、C(動作の速さ)、D(衝動抑止性)、E(神経質傾向)、F(回帰性)、G(感情高揚性)、H(攻撃性)、I(非協調性)、J(自己顕示性)、K(情緒安定性)の結果から、以下6つのタイプに分類されます。
- 状況判断が遅い人
- 動作は早いけど正確さに欠けている人
- 神経質な傾向がある人
- 気分の変わりやすさやムラがある人
- 攻撃的な傾向がある人
- 自己中心的な傾向がある人
この適性検査は主に、行動の速さと正確さをみるものです。
行動が速い人はせっかちとみられ、正確さが優れている人は慎重な人だと判断されます。
同時に、運転時の状況判断の評価もみることができます。
「OD式安全テスト」では、全16項目の評価をもとに運転適性度と安全運転度それぞれを5段階で算出し、4タイプの適性パターンに分類することで運転傾向を割り出します。
- 安全運転をするタイプ
- もらい事故の傾向があるタイプ
- 重大事故の傾向があるタイプ
- 事故違反を多発させるタイプ
このテストでは「運転に適しているか」と「安全性を重視しているか」を検査します。
自分がどういったタイプの性格で、運転にどんな影響を与えやすい傾向にあるのかを知ることで、教習の際にどんなところに気をつけて学べばいいのかわかるようになりますよ!
タイプごとに心がけるポイント
ここでは、先述の適性検査の結果で出たタイプ別に、心がけるポイントを挙げます。
状況判断が遅い人 | 複雑な状況でも常にいろんな状況があることを見抜いて、適切な行動を心がけましょう。 |
動作は早いけど正確さに欠けている人 | 周囲の状況に気を配りつつ、一呼吸おいて行動するように心がけましょう。 |
神経質な傾向がある人 | バランス良く周囲に気を配りながら、リラックスして運転をするように心がけましょう。 |
気分の変わりやすさやムラがある人 | 気分が沈んでいる時はなるべく運転を控え、気分転換をして気持ちを高めてから運転をするように心がけましょう。 |
攻撃的な傾向がある人 | 相手に譲る・思いやる気持ちを忘れないように運転をするよう心がけましょう。 |
自己中心的な傾向がある人 | 自分の行動が他の人に迷惑をかけていないかどうか、振り返ってみる癖付けを心がけましょう。 |
安全運転をするタイプ | 絶対に事故を起こさないというわけではないので、油断せずに安全運転を心がけましょう。 |
もらい事故の傾向があるタイプ | 複合操作が必要な場面での運転には充分に注意をするよう心がけましょう。 |
重大事故の傾向があるタイプ | 自分の運転技術に自信を持つまたは信用しすぎないように、安全運転を心がけましょう。 |
事故違反を多発させるタイプ | どんな心構えが大事になるのかを考えながら、細心の注意を払って運転をするように心がけましょう。 |
適性検査を受ける時の注意点とコツ
適性検査を受ける際には、具体的に「担当検査員の説明を聞く」「落ち着いて正確に取り組む」「問題には正直に答える」という3つの点について注意しておきましょう。
注意点とコツ1:担当検査員の説明を聞く
検査内容は基本的に簡単なものが多いのですが、中には複雑なものも含まれています。
このような問題に関しては、担当検査員が内容や注意事項の説明を行いますので、聞き漏らさないようにしっかり聞きましょう。
注意点とコツ2:落ち着いて正確に取り組む
検査にはそれぞれ制限時間が設けられています。
時間がなくなると焦ってしまいますが、結果ではなくありのままの自分を知るために取り組んでいるということを意識しながら、ひとつひとつ丁寧に行っていきましょう。
注意点とコツ3:問題には正直に答える
運転適性検査は、普段意識しない自分の内面を知るための検査ですので、自分に対して正直に、手抜きをせずに解答することが大切。
萎縮したり、こう答えれば印象が良くなるとか、周囲の目を気にして答えるのでは、本来の適性検査の趣旨と外れてしまします。
したがって、問いを見て、自分が最初に感じたことを回答することが一番です。
適性検査は結果の優劣ではなく、今後の運転に活かすことが大切!
適性検査の結果に優劣があるわけではなく、適性検査は今の自分の運転傾向や性格などを客観的に知るためのものです。
したがって、結果に一喜一憂せず、適性検査で分かったことを今後の教習や運転にどう活かしていくかが重要ですよ!
適性検査の結果を活かして、安全運転を心がけるようにしましょう。
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