指定教習所と届出教習所の違いは？それぞれの特徴や料金を解説！

「指定教習所」や「届出教習所」の文字を教習所のパンフレットなどで目にしたことがある方も多いはずです。

違いが分からないまま、地域や料金だけで選んでしまっている方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、「そもそも指定教習所と届出教習所って何？」「指定教習所と届出教習所の違いは？」などの疑問点を詳しく解説します。

そもそも指定教習所・届出教習所とは？

指定教習所と届出教習所には「公安委員会」という、運転免許証の発行主体である行政機関が関係しています。

この公安委員会が設定する基準を満たしているかどうかで、異なるのです。

指定教習所とは

指定教習所とは、公安委員会が一定の基準を満たしていると認め、指定した教習所のことです。

「一定の基準」には以下のような点が含まれます。

• 人的基準（資格を有する指導員が適切に配置されているかなど）
• 物的基準（学科教習を行う教室があるかなど）
• 運営基準（教習に関わるその他の内容）

新規で免許を取得する方の9割以上が指定教習所で免許を取得しています。

届出教習所とは

届出教習所とは、公安委員会に届出を出した自動車教習所のことです。

公安委員会からの指定はないので、「人的基準」「物的基準」「運営基準」を満たしていなくても運営できます。

設備や規模は教習所によって異なりますが、きちんと届出を出しているため指定教習所と同様、法的に認められている教習所です。

教習に関する違い

公安委員会からの指定や届出によって種類が異なる指定教習所と届出教習所ですが、教習に関する以下の3つの点に違いがあります。

• 学科検定や卒業検定の検定場所
• 教習内容や期間
• 料金

具体的な内容は以下のとおりです。

1、学科検定・卒業検定の検定場所の違い

指定教習所と届出教習所の大きな違いは試験場所です。

指定教習所は仮免学科試験や卒検を教習所で受験するのに対し、届出教習所は運転免許試験場で受験することになります。

指定教習所を卒業すると本免許試験の技能試験が免除されますが、届出教習所の場合は運転免許試験場で本免許取得のための技能試験を受ける必要があります。

2、教習内容や期間

指定教習所の場合、一日の技能教習は2～3時限までという制限があるのに対し、届出教習所はそのような制限はありません。

また、指定教習所と違い、届出教習所は学科教習が必須ではないため、技能教習のみで短期間で卒業する人も中にはいます。

届出教習所は学科教習は必須ではないものの、仮免許学科試験や本免許を取得するための学科試験は受験する必要があります。

学科教習やパソコンソフトを使っての学習が受けられる指定教習所と違い、届出教習所は学科試験に向けて1から自主的に勉強する必要があるのも大きな違いです。

3、料金の違い

届出教習所には最低教習時間がないことや学科教習が必須ではないことから、それぞれの教習料金を比べると、届出教習所よりも指定教習所のほうがやや高い場合が多いです。

ただ、届出教習所の場合は、学科試験や卒検を運転免許試験場で行うため、別途受験料が必要です。

通常、教習所では、学科試験や卒検などの技能試験に不合格となってしまった場合、その都度再検定料がかかり、特に運転免許試験場での技能試験は難易度が高いため、合格率は15％以下とされています。

この数字から分かるように、届出教習所を検討している方は、再検定料も必要になるケースも想定しておいたほうがよいでしょう。

違いを理解して本当に自分に合った教習所を選ぼう！

このように、指定教習所と届出教習所は主に「学科試験や卒検の検定場所」「教習内容や期間」「料金」の3点に違いがあります。

指定教習所は最初に支払う料金はやや高いケースが多いものの、手厚いサポートや資格を受けた教官による信頼できる教習が受けられるため、「多少時間がかかっても確実に免許を取得したい」「しっかり運転の知識をつけたい」という方には向いており、無難な選択と言えるでしょう。

一方で届出教習所は、スラスラと進めば安く短期間で免許取得できるケースもあるため「とにかく最短、最安で免許を取得したい」という方には一つの選択肢になるかと思います。

※ただし、届出教習所は短期間で技能教習を終えられる一方、運転免許試験場での技能試験の難易度は高め。そのため、現実的には一発で合格することは難しいケースが多いです。

なので、届出教習所を利用したものの、結果的に指定教習所よりも時間がかかってしまうということは少なくありません。

さて、今回ご紹介したように、指定教習所と届出教習所はそれぞれに違ったメリット・デメリットがありますので、皆さん全員に当てはまる正解はありません。

しかし、それぞれの違いを理解しておかないと入った後に後悔してしまう可能性もありますので、本記事でご紹介した内容をぜひ頭の片隅に入れておいて頂けると幸いです。