教習指導員になるための勉強時間や資格取得難易度、合格率は?
- 2023.06.20
- 運転免許豆知識
「教習指導員」とは、国家資格である「指定自動車教習所指導員」の一つで、自動車教習所などで教習生に対して「学科教習」と「技能教習」を行う者のことです。
もう一つは、自動車教習所などで技能検定を行う「技能検定員」で、「教習指導員」の上位資格に位置づけられています。
今回は、主にこの「教習指導員」になるための勉強時間や資格取得の難易度、合格率などについて解説し、併せて「技能検定員」についても説明します。
教習指導員とは?
「教習指導員」とは、自動車教習所や自動車学校、ドライビングスクールなどで、道路交通法に定められたカリキュラムにしたがって自動車の安全運転に必要な「学科教習」と「技能教習」を行う職業です。
「教習指導員」として「学科教習」と「技能教習」を行うためには、「指定自動車教習所指導員」の国家資格を取得しなければなりません。
従来は「学科教習」を行う「学科指導員」と「技能教習」を行う「技能指導員」が別々の資格になっていましたが、1993年の道路交通法改正により統一されて、現行の「教習指導員」になりました。
教習指導員の種類
「教習指導員」は、運転免許証の種類に準じて、「大型」「中型」「準中型」「普通」「大特」「大自二」「普自二」「牽引」「大型二種」「中型二種」「普通二種」という11種類に分かれており、合格者には「教習指導員資格者証」が交付されます。
教習指導員の業務内容
「教習指導員」は自動車教習所などで次の業務を行います。
【1】学科教習
「学科教習」では、自動車教習所の教習生に、運転に必要な道路交通法や安全運転に必要な知識、運転者の心得などを教本やビデオを使って教えます。
また、実技教習として応急救護処置の方法についても教えます。
【2】技能教習
「技能教習」では、教習所内のコースで基本的な運転操作方法として、ハンドル操作やブレーキ操作、交差点曲がり角、交差点での運転、坂道発進、進路変更、駐車方法などについて指導します。
「教習指導員」は助手席に座って1対1で指導し、必要に応じて運転の手本を見せることもあります。
修了検定と仮免学科試験に合格して仮免許証を取得した教習生は、一般道路で路上教習を行いますが、このときも助手席に同乗して指導します。
教習指導員になる方法
「教習指導員」になるには、指定自動車教習所に入社して必要な知識や技能を身につけて、指導員審査を受けて合格するという方法が一般的です。
多くの教習所では、「教習指導員」の資格を取得するための支援制度を設けていますので、入社後は「見習い指導員」として働きながら、資格取得のための勉強をすることになります。
教習指導員の受験資格
「教習指導員」の受験資格は、次のとおりです。
- 21歳以上であること
- 受験する車種の運転免許を所持していること
また、二種の「教習指導員」になるための受験資格は、次のとおりとなります。
- 21歳以上であること
- 受験する車種の運転免許を所持していること
- 普通自動車の「教習指導員」資格を有していること
教習指導員になるための流れ
教習指導員になるための流れは次の通りです。
STEP1 | ・指定自動車教習所に就職する。 ・「教習指導員」になるためには学歴は問われませんが、自動車教習所の採用条件に学歴が設定されていることがあります。 |
STEP2 | ・指定自動車教習所に入社後の3~6ヶ月間は、「指導員見習い」の仕事をしながら、次のような指導員審査に必要な勉強をします。 1)90時限以上の「事前教養」を受ける 2)公安委員会が行う56時限の「教育研修」を受講する |
STEP3 | ・指導員審査として、筆記審査、運転技能審査、面接審査を受験します。 |
STEP4 | ・指導員審査に合格すると、勤務先の教習所で24時限の「事後教養」を受けます。 ・「事後教養」の内容は、教習原簿の書き方、教習車での実習などです。 |
STEP5 | ・教習所の管理者から選任されて「教習指導員」となります。 |
教習指導員になるための勉強時間
「教習指導員」になるための勉強時間の目安は、70~100時間程度といわれています。
教習指導員資格の審査内容
「指定自動車教習所指導員」の審査内容は、各都道府県の公安委員会ごとに異なっていますが、一般的には次のようになっています。
審査項目 | 審査方法 |
---|---|
自動車の運転技能 | 実技試験 |
「技能教習」に必要な教習技能 | 実技試験または面接試験 |
「学科教習」に必要な教習技能 | 実技試験または面接試験 |
運転に関する知識 | 論文式、択一式・補完式または正誤式 |
法令についての知識 | 論文式、択一式、補完式または正誤式 |
教育についての知識 | 面接試験または論文式 |
教習指導員の合格率
「指定自動車教習所指導員」の公式な合格率は非公開となっています。
教習指導員の合格基準
しかしながら、合格基準については次の通りで、かなり厳しいものとなっています。
- 学科試験(正誤式):95%以上
- 学科試験(正誤式以外)、実技試験、面接試験:いずれも85点以上
教習指導員の資格難易度
「教習指導員」は、運転免許を取得したいという教習生に運転技術や交通法令について教えるという重要な役割を担う資格です。
このように責任のある職業ですので合格基準もそれなりに厳しく、しっかりと勉強しなければ合格は難しいといえるでしょう。
技能検定員とは?
「技能検定員」とは、「教習指導員」の上位に位置づけられる資格で、検定業務において教習生の技能の合否判定を行う者です。
本来は、技能検定の試験官業務(修了検定、卒業検定、限定解除審査検定の採点)は都道府県の公安委員会が行うべき業務ですが、「技能検定員」はこの業務を代行することができます。
したがって、技能検定の業務を行っているときは「みなし公務員」として扱われますので、公務員としての守秘義務があり、受験者から金品等を受け取ると「収賄」などの処罰を受けることがあります。
技能検定員の種類
「技能検定員」には、「教習指導員」と同じく「大型」「中型」「準中型」「普通」「大特」「大自二」「普自二」「牽引」「大型二種」「中型二種」「普通二種」の11種類があります。
技能検定員の受験資格
「技能検定員」の受験資格は、次のとおりです。
- 25歳以上であること
- 受験する車種の運転免許を所持していること
- 受験する車種の「教習指導員」の資格を有していること
技能検定員になる方法
「技能検定員」になるためには、審査の前に「新任技能検定員養成講習」を受講し、その後、公安委員会が行う審査を受けて合格する必要があります。
審査内容は次の通りですが、運転技能試験については「教習指導員」よりも合格基準が高くなっています。
- 運転技能試験
- 採点に関する実技試験
- 検定に関する知識(論文試験)
- 検定に関する知識(面接試験)
教習指導員になるための第一歩は自動車教習所への入社
この記事では、「教習指導員」の種類や業務内容、「教習指導員」になるにはどうすれば良いのか、必要な勉強時間、難易度、合格率などについて説明しました。
「教習指導員」になる一般的な方法は、自動車教習所に入社して資格取得に必要な知識や技能を学び、資格試験を受けて合格することです。
「教習指導員」になるための第一歩は、自動車教習所への入社ということになります。
教習所によっては、「教習指導員」になるために必要な研修や、教育などを実施しているところもありますし、試験費用などを全て負担してくれるところもあります。
「教習指導員」になりたいと思ったら、まずは社員の教習指導員への道を積極的に応援してくれる教習所を見つけるところから始めましょう。
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