教習所のオンライン授業は実際どう?メリット・デメリットまとめ
- 2021.11.26
- 運転免許豆知識
日本各地の自動車教習所では、2020年12月から学科教習のオンライン授業が認められるようになりました。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大学のオンライン授業やリモートワークなどの広がりから、警察庁が「3密」対策の1つとしてオンライン式の教習を認めたものです。
ではいったい、教習所のオンライン授業とは、どのようなものなのでしょうか。
この記事では、教習所のオンライン授業がそもそもどんなものなのか、また、メリット・デメリットまでまとめてみたいと思います。
教習所のオンライン授業とはどんなもの?
オンライン授業とは、実際に教室で授業を受けるのではなくて、インターネットを通して映像で授業を受けることを言います。
自動車教習所が実施するオンライン学科教習は、普通免許を取得する際に必要な26時限のうち、応急救護措置など実技を伴う講義を除いた21時限で受けることが可能。
また、警察庁の通達によれば、オンライン学科教習はライブ配信と録画配信の2種類が認められています。
ライブ配信とは、リアルタイムの生放送であり、時間を決めて指導員が教習所で授業を行い、その授業を生配信することにより、同じ時間に全ての教習生が一斉に受講するものです。
通常、Zoomなどのビデオ会議システムを使って行われるため、教習生の顔も映り、双方向の通信もできます。
一方、録画配信(オンデマンド)とは、指導員の授業を録画しておいて、教習生が好きな時に観ることができるようにしたものです。
こちらは、それぞれの自動車教習所によって、配信方式が違い、独自のアプリやチャンネルを持っている教習所もあるようです。
どちらの場合も、なりすまし受講や居眠り・サボりなどを防止するために、AI顔認証技術などを使って個人の識別をしっかり行うほか、授業中もモニターで監視されます。
また、教習後に指導員による質疑応答の機会が確保されており、授業の理解度も確認されます。
これらは、ネット環境があれば誰でもどこでも受講することができるので、便利ですよね、、!
最近では、ほとんどの方がスマートフォンを持っていますので、パソコンがなくてもスマートフォンがあれば受講することができますよ!
教習所のオンライン授業のメリット
こうした教習所のオンライン授業のメリットとは何でしょうか。
ここでは、以下の6つのメリットを挙げていきます。
メリット1. 教習所に行かなくても学科教習が受けられる
オンライン学科教習最大のメリットは、教習所に行かなくても、ネットが繋がるところであればどこにいても学科教習が受けられる点です。
ビデオ会議システムや配信アプリなどを使って、自宅や好きな場所から学科教習が受けられるのはとても便利ですし、教習所に行くまでの交通費や時間が全くかからないので、時間やお金の節約にもなりますよね。
したがって、教習生の利便性が向上し、運転免許取得の負担の軽減が期待できます。
メリット2. 自分の都合に合わせて受けられる
メリット1で述べたように、オンライン授業は、ネットが繋がるところであればどこでも受けられるので、教習生にとっては、今までよりもずっと効率よく教習が受けられることになります。
特に、録画配信(オンデマンド)の方式であれば、24時間365日いつでも視聴が可能です。
早朝でも夜中でも、時間と場所を気にせず教習が受けられるというのは、教習生にとってかなりのメリットと言えるでしょう。
授業やバイトがあって時間が取れない学生、仕事が忙しい社会人、子育て中の女性など時間に余裕がない人でも負担なく教習を受けることができるので、教習の希望者が増えるのではないでしょうか。
メリット3. 「3密」を回避し、感染症を心配せずに学科教習が受けられる
もう一つのメリットは、新型コロナウイルスなどへの感染を心配せずに安全に学科教習が受けられる点です。
コロナ禍で、「3密を避ける」ことが重要という概念が広がりました。
本来であれば教習所は、混んでいる時は50~60人もの人が狭い一つの教室で50分も一緒にいることになりますが、オンライン授業では、これが全くなくて済みます。
つまり、教習生がどれほど多くても、教室内での3密を避けられると言えるでしょう。
これは、オンライン学科教習が導入された主たる目的でもありますが、オンライン授業は教習生や教官への感染のリスクを抑えるのに重要な役割を果たします。
オンライン授業ならば、学科教習を安心・安全に受けられるということになります。
メリット4. 一度に大人数が受講できる
オンライン学科教習を利用すれば、一度に大人数の受講希望者がいても対応できます。
教習所で学科教習を行う場合、あまりに希望者が多いと対応できないことがありました。
一方オンライン学科教習では、受講希望者が教室以外の場所から学科教習を視聴するため、多くの人がストレスなく学科教習を受講できます。
もちろん、どんなに大勢の人が一度にオンライン学科教習を受けても、授業の質は変わらず、感染症対策に影響を及ぼすこともありません。
メリット5. 何度でも繰り返し観ることが出来る
今までは、一度受けた学科教習には押印されて、基本的には同じ教習は一度しか受けられないことになっていました。
ところが、今回のオンライン化に伴って、わからないところがあったり、何度も観たい教習は、何度でも自由に観返すことができるようになりました。
一度の教習では、聞き逃したところがあったり、メモが追い付かなかったりしたという人も、何度でも繰り返し観返せることによって、そういった躓きを克服できるようになったのです。
これは、復習や試験対策にも非常に役立ち、教習生からの支持が多いメリットでもあります。
メリット6. 外国人や聴覚障害者の方も受講可能になる
オンライン学科教習の最後のメリットは、これからに期待ではありますが、外国人や聴覚障害者の方も学科教習が受けやすくなる点です。
オンライン学科教習の、特に録画配信において、外国人向けに字幕を付ければ、日本語をまだ十分に習得していない方も運転免許証を取得できるかもしれません。
同様に、聴覚障害者の方向けに手話通訳が付いた動画を作成できれば、さらに多くの人がオンライン学科教習の恩恵を得られることになります。
教習所のオンライン授業のデメリット
メリットの多いオンライン授業ですが、デメリットもあるのでしょうか。
ここでは、以下の3つのデメリットについて見ていきます。
デメリット1. ネット回線の不具合でやり直しになる場合がある
オンライン授業の一番のデメリットは、ネット環境によってはノイズが入ってしまったり、聞き取りにくかったり、遅れて聞こえてきたりする場合があることです。
さらに、ネットの回線状況によっては、途中で遮断されてしまったりする場合もあります。
こうしたネット回線の不具合は、それぞれの環境によって変わってきてしまうので、場合によっては授業の内容を理解できないときもありますし、途中で遮断された場合は教習の不成立となり、再度の受講が必要となる場合もあります。
オンライン教習を受ける際には、ある程度ネット環境が整った場所で受けるなどの対策を取る必要に迫られるかもしれません。
デメリット2. 録画配信だとその場で直接質問ができない
メリット2で挙げた「いつでも視聴できる」録画配信ですが、逆に、その場で直接質問ができない、というデメリットがあります。
ライブ配信ならば、双方向ですので、授業の後の質疑応答で質問することもできますが、録画配信ではそれができません。
教習所によっては、電話やメールなどで質問を受け付けてくれるところもあるようですが、ある程度のタイムラグが発生してしまいます。
したがって、わからなければ何度も観ることはできても、その場で教官に直接質問できないというのは、大きなデメリットの一つになるでしょう。
デメリット3. 教習所間の格差が発生する可能性がある
教習所業界というのは、他の業界と比べて、IT関連では遅れているところが多く見受けられます。
そもそもPC自体をほとんど使用していないような教習所もまだまだあるようです。
そんな状態の教習所では、オンラインの学科教習を開始できるわけもなく、いち早く導入したところとは、当然格差が生まれてきます。
特に地方の小さな教習所はついていけないところもあり、オンライン授業の普及によって淘汰されてしまう教習所も出るのではないか、という危惧があります。
これは、地域格差になる可能性もあり、教習生が住む場所によって不利益を被るデメリットもあると言えるでしょう。
教習所のオンライン授業はこれから拡がっていく可能性が大きい!
これまで、教習所のオンライン授業のメリット・デメリットについて、いくつかの点に整理して述べてきました。
オンラインの学科教習は、デメリットもあるものの、メリットの方が圧倒的に多く、コロナ禍によるリモートワークの普及に伴って、これからどんどん拡がっていくことが予想されます。
個々人のネット環境が整備されるにしたがって、メリットを享受できる教習生も増えてくることでしょう。
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