企業向けの安全運転講習の内容は?受けるメリットも紹介
- 2023.11.17
- 運転免許豆知識
企業向けの安全運転講習は、社員に対して事故防止と安全運転に対する意識の向上を促すための講習です。
今回は、企業向けの安全運転講習の内容や料金、受けるメリットについて解説していきます。
【プログラム別】企業向けの安全運転講習の内容
企業向けの安全運転講習には種類があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
【1】新入社員向け講習
新入社員向け講習は、まだ運転歴が浅い新入社員に向けて、「社用車ドライバーとしての意識」「安全運転の知識」「安全運転の実力」をアップさせるものになっています。
新入社員は免許を持っていても運転経験が浅いことが多いため、基礎的な内容を学ぶのが新入社員向け講習の特徴です。
具体的にはOD式運転適性検査と座学講習、実技講習を行います。
OD式運転適性検査とは、「運動機能」「健康度・成熟度」「性格特性」「運転マナー」の4つの観点から、大きく4つの運転タイプと88の性格パターンに分類するものです。
4つの運転タイプには、安全運転タイプ、もらい事故傾向タイプ、重大事故傾向タイプ、事故違反多発傾向タイプがあります。
当てはまった性格タイプを見て、まず自分はどんな傾向があるのか分析することで自分自身の運転の癖や傾向を知ることが可能です。
座学では社用車ドライバーとしての意識を高め、安全運転の知識を深める研修を行っていきます。
実技では生活道路や市街地走行、車庫入れ等の訓練を行います。
研修の内容によってはディスカッションを行い、どうすれば安全運転ができるのか話し合ったり、報告書をまとめたりする場合もありますよ。
【2】事故惹起者向け講習
事故惹起者向け講習は、実際に事故を起こしてしまった方、違反を繰り返してしまう方向けの講習。
業務中の交通事故は、ドライバーの社会的信用を無くしてしまうだけでなく、企業にとって大きな経済的損失を与え、会社のイメージダウンにつながってしまいます。
事故惹起者向け講習は交通事故を起こしてしまった際の原因と対策を分析し、正しい知識を習得していきます。
カリキュラムは、実車や適性検査、ディスカッション等が中心。
運転の癖や操作面、安全確認の状態などを判定し、ディスカッションでどうすれば安全に運転することができるのか確認します。
そして、実技の時間を設けて危険な運転が矯正されているかどうか見る、という流れになっています。
【3】一般社員向け講習
一般社員向け講習は、他部署から業務で車を運転する部署に来た方や、普段から運転する業務に従事している方向けの講習です。
運転に不慣れな方は適正検査や実車での運転研修のほかに、社用車ドライバーとしての心構えも学んでいきます。
一方、ベテランのドライバーには、慣れからくるうっかり事故や「だろう運転」を防ぐため、安全確認について再確認や無事故無違反への意識の向上を促します。
交通ルールを守っていればいいというものではなく、「一時停止をしなければならない理由」や「横断歩道で歩行者を優先させる意識」などのドライバーとしての意識を高める講習になっているのが一般社員向け講習の特徴。
業務中の社員の違反や事故を防ぐとともに、企業内で運転意識を高い水準で維持するためにも、年に1回の講習がおすすめです。
【4】運転指導者向け講習
運転指導者向け講習は、社内で車の運転指導にあたる方向けの講習です。
運転指導者向け講習では、座学や実車を中心に運転を指導する際に必要な心構えや、自分の運転技能の向上、後輩に指導する時に注意したいポイントなどについてトレーニングします。
研修の最後には助手席に乗って、インストラクターが実際の指導の場面を作ってチェックするという講習も行います。
一度ではなく、複数回受講することで講習の効果は浸透しやすくなるため、定期的な受講がおすすめです。
また、研修の内容について意向がある場合は、相談するとカリキュラムに追加してもらえる場合があります。
企業向けの安全運転講習の料金
企業向け安全講習の料金は、各教習所や受ける講習内容によっても異なりますが、大体1時限あたり8,000円~10,000円が相場です。
1時限で終わる研修はあまりなく、2時限~8時限と教習所のカリキュラムによって時間が異なってきます。
単純計算で
- 2時限16,000円~20,000円
- 4時限32,000円~40,000円
- 6時限48,000円~60,000円
- 8時限64,000円~80,000円
ほどになります。
ただしこれは一人当たりの料金です。
教習所によっては3人以上からの申し込みというところもあるので、1人から申し込みたい場合は教習所に確認しましょう。
一度に数十人が受講する想定で10万~15万円という価格設定を行っているところもあります。
企業向けの安全運転講習を受ける5つのメリット
企業向けの安全運転講習には5つのメリットがあります。
それぞれ解説していきます。
メリット1:職場全体の安全意識の向上につながる
企業向けの安全運転講習は、職場全体の安全意識の向上を図る上で重要です。
そもそも、講習は一人ではなく複数人で受けることが受講の条件になっている場合があります。。
職場内のうち数人が安全意識を高めるだけでも、「私も気を付けないと」と、横の繋がりで安全意識が高まる効果が期待できます。
さらに車両責任者や上司が講習を受けることで、縦のつながりでも安全意識が高まるため、管理者なども安全運転講習を受けることが大切。
このように、企業向けの安全運転講習を受けた職員が複数人いるだけでも、社内全体の安全意識を高めることができます。
メリット2:交通事故を減らすことで企業イメージダウンのリスクマネジメントができる
交通事故を起こしてしまうとその人のイメージは下がってしまいます。
一方で企業のドライバーの場合は、その人自身だけでなく、企業自体のイメージもダウンすることがあるのがプライベートでの運転とは異なる点です。
営業先へ行けず失った信頼によって、イメージダウンし、取引先を失ってしまうこともあります。
交通事故を起こしてしまうと会社イメージが悪くなってしまうので、事前に企業向けの安全運転講習を受けることで事故を防ぎ、イメージダウンのリスクも減らすことが大切。
また、安全講習では思いやりのある運転技術を学ぶこともできます。
思いやりのある運転技術とは、横断歩道では歩行者を優先するなどです。
思いやりのある運転をすることで、逆に企業のイメージアップが図れますよ。
メリット3:事故処理にかかるコストを削減できる
交通事故を起こしてしまうと、車両の修理代、慰謝料、損害賠償、事故対応に関わる人件費などの費用面でのコストや時間的コストがかかります。
企業向けの安全運転講習を受けることで未然に交通事故を防げば、事故処理にかかるコストを削減することができます。
メリット4:企業として安全運転に取り組む姿勢をアピールできる
企業向けの安全運転講習を行うことで、「この会社は交通ルールをしっかり守っている」と周囲にわかってもらえるようになります。
企業のCSRアピールになり、ブランドイメージの向上に繋がります。
CSRとは、企業が社会的存在として果たすべき責任のことです。
コンプライアンスもCSRのひとつで、法律やその他の社会規範を遵守することです。
このCSRやコンプライアンスは近年企業が果たすべき役割だと注目されています。
実際に安全運転をしてみて、横断歩道で歩行者を優先させるなど社会的に良い行いをすることで会社のイメージが良くなります。
メリット5:交通事故を回避することで経費削減につながる
自動車の保険料は等級によって変わります。
初めは6等級からスタートし、1年間無事故だった場合、1等級上がって7等級にすることが可能です。
等級が上がれば上がるほど保険料は安くなっていきます。
交通事故を起こさないと毎年保険料が下がっていくため、経費節約につながります。
また、安全運転をすると自然と燃費が良くなるため、ガソリン代の節約もすることが可能です。
定期的な安全運転講習でリスクマネジメントをしよう!
企業向けの安全講習の内容と、受けるメリットについてご紹介してきました。
交通事故を起こすことは会社に損を生むだけでは終わりません。
会社のイメージを損ない、場合によっては取引先も失ってしまうことになります。
企業ドライバーとしてモラルを守る事は、会社のイメージを守る事にも繋がっていきます。
企業向けの安全運転講習は企業イメージを下げるような事故を未然に防ぐこと、安全運転の意識を高めること、企業ドライバーとしての心構えを高めることに繋がります。
企業向けの安全運転講習の内容は繰り返し行うことで根付いていくものです。
たった一度きりではなく、年に一回の講習を受けるようにすると効果的に安全運転をすることができます。
会社の信用を上げたい方や安全運転を心がけさせたい方は、従業員が企業向けの安全運転講習を受ける場を設けるのがおすすめです。
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