車の自賠責保険とは何かを簡単に解説します!
- 2022.05.19
- 運転免許豆知識
自動車保険の中でも基本と言われる『自賠責保険』。
しかし、実際のところどのようなものであるのか、パッと目にしただけではあまり分からない部分もあるかもしれません。
自動車を運転するうえで、自賠責保険がどういったものであるかを知っておくのはとても重要です。
今回は、車の自賠責保険とは何なのか、補償範囲や保険料はどの程度なのかについての基本的な知識を解説していきます。
安心して運転ライフを送るためにも、大切なポイントを理解しておきましょう。
自賠責保険とは?
まず初めに、自賠責保険の概要について説明します。
自賠責保険は「自動車損害賠償責任保険」の略であり、自動車を所有するうえで誰しもが関わりを持つ保険です。
しかし、保険を利用する機会がない限りは意識することもないかもしれません。
自賠責保険は加入が義務付けられている保険ですので、概要を把握しておくことが重要となってきます。
自賠責保険には加入義務がある?
自賠責保険は「強制保険」にあたります。
そのため、普通自動車だけでなく、自動二輪車(バイク)や原動機付自転車(原付)も含む全ての自動車に加入義務があります。
それは自動車損害賠償保障法により決められており、自賠責保険に未加入のまま運転するのは法律違反です。
自賠責保険未加入での運転は法律違反!
自賠責保険が切れた状態で一般道を走行していると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象となってしまいますので注意しましょう。
また、それだけでなく、違反点数6点が付加される為、一度で最低30日間の免許停止処分を受けることになってしまいます。
自賠責保険の期限を認識していない状態で運転を続けていると、上記のような予期せぬ法律違反の可能性が生まれますので注意して下さい。
また自賠責保険の契約期間中であっても、自賠責保険証明書を携行しないまま運転してしまった場合、30万円以下の罰金処分となりますので忘れないようにしましょう。
その他、自賠責保険未加入の状態では車検を受けることが出来ないなど、車を所有するうえで必要不可欠なものであることがお分かり頂けるかと思います。
法律に基づいた強制保険であると留意し、運転を行うようにしましょう。
自賠責保険の補償範囲ってどこまで?
では次に、自賠責保険が補償している範囲がどの程度なのかについて知っておきましょう。
自賠責保険は基本的に、交通事故などによる被害者の救済を目的としたものです。
例えば交通事故にあってしまった際、被害者側には治療費を始めとした多くの費用が必要になってきます。
しかし加害者側に損害賠償を支払う経済力が無かった場合、被害者の損害が補償されないという事態にもなりかねません。
そうした場面を避けるために、加入義務のある強制保険としての自賠責保険があります。
その為、自賠責保険の補償範囲は基本的に運転手本人(車所有者)ではなく「他者」となります。
交通事故時の同乗家族、交通事故の被害者が主な対象となり、補償内容としては以下のようなものです。
- ケガによる損害(傷害):治療費、休業補償、慰謝料など被害者1名につき最高120万円
- 後遺障害:逸失利益、慰謝料を被害者1名につき最高4,000万円
- 死亡による損害:逸失利益、慰謝料、葬儀費を被害者1名につき最高3,000万円
事故の状況などにもよりますが、この支払限度額を超過した分の賠償費用は自己負担となります。
運転手本人の治療費や休業補償については補償対象外となりますので、そうした補いきれない部分の不安を解消する為に任意保険があると言えるでしょう。
自賠責保険と任意保険の違いって?
自動車保険には二種類あり、自賠責保険と任意保険に分けられています。
先ほどお伝えした自賠責保険の補償内容を補填するものとして、任意保険がどのようなものかについても知っておくと安心出来るでしょう。
その違いについて、二つの点から詳しく見ていきます。
加入の必要性の違い
自賠責保険は法律に基づき全ての自動車に加入が義務付けられた強制保険です。
一方任意保険は保険会社が取り扱っており、加入の義務はありません。
任意保険に加入するかどうかは、車を所有している本人の判断で決定するものです。
補償範囲の違い
任意保険には多様な補償が用意されている点も、自賠責保険との大きな違いでしょう。
前述のとおり、交通事故における加害者は自賠責保険の対象とはなりません。
しかし任意保険であれば、次のような、自賠責保険で補えない範囲の損害を補償することも可能となります。
- 加害者側の傷害
- 被害者車両や公共物(道路のガードレール、信号など)の破損
- 加害者側車両の損害
自賠責保険で補いきれない不安を解消するのが任意保険!
任意保険は補償範囲を運転者本人の裁量できることもあり、多種多様な内容があるものです。
そしてその多くは、自賠責保険では補いきれない部分の補償を行うことを目的としています。
前述のとおり自賠責保険は、自分自身を補償する保険ではありません。
だからこそ多くの方が、自賠責保険と併用して任意保険を活用しているのです。
無事故を心がける限りは必要としない車両保険ですが、不安を解消する為には併用も有効と言えるでしょう。
自賠責保険のよくある疑問!
ここからは自賠責保険について、よくある疑問などについて回答をまとめていきます。
よくある疑問1:自賠責保険の保険料ってどうなるの?
自賠責保険は国の法律に基づき義務付けられたものである為、保険料も交通事故の損害調査を担う機関が算出し、国の審議を経て決定されています。
保険会社による任意保険とは、保険料の決定方法が異なることを覚えておくとよいでしょう。
また、自賠責保険は営利目的が無いため、利益・損失が出ないように設定されています。
交通事故発生件数、保険金支払い状況から最適な保険料が決定されるので定期的な改定があります。
改定時には自身の所有する車がどのくらいの保険料であるか、確認しておくようにしましょう。
よくある疑問2:自賠責保険の契約期間って?
自賠責保険の契約期間は、最短1か月です。
ただ加入していない状態だと車検を受けることが出来ない、一般道を走ることが出来ないということからも、車検の有効期間に合わせ保険期間を決定するのが一般的でしょう。
車検を受ける際、整備不良などの理由で想定していたよりも長期間の検査が必要となる場合があります。
すると車検を完了するより前に自賠責保険の期間が切れてしまうということにもなりかねません。
その為、自賠責保険の契約期間を車検期間より1か月程度長めに契約しておくことが推奨とされています。
自賠責保険の補償範囲を理解したうえで、安全運転!
今回は車を所有するうえで欠かすことの出来ない、『自賠責保険』についてご紹介しました。
運転をしていくとすれば交通事故のリスクを完全に払拭することは難しい部分もあります。
また法律に定められ加入が義務付けられた保険でもありますので、しっかりと契約状況を確認しておくように努めて下さい。
自賠責保険の補償範囲で安心感を得にくいと感じた際には、任意保険の加入も検討しましょう。
安心した運転ライフの為に、今一度確認をしてみることをおすすめします!
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