雨や雪の日に心がけたい運転の注意点
- 2023.10.25
- カーライフ全般
雨や雪の日に気を付けたいのが車のスリップです。
今回は、スリップの原因と対処法、運転時に気をつけたいことなどを解説していきます。
雨や雪の日は車がスリップしやすい!その原因とは?
雨の日や雪の日は車がスリップしやすくなります。
スリップする一番の理由は路面が凍ったり砂利がタイヤの溝に入りこんだりしてタイヤのグリップ性能が低下することです。
タイヤのグリップ性能が低下してスリップしやすくなる具体的な原因には以下のようなものがあります。
原因1:ハイドロプレーニング現象
ハイドロプレーニング現象とは、タイヤと路面の間に水が入り込むことによって、車の制御が効かなくなる現象です。
少しの水なら、タイヤに彫られた溝から水が排出されますが、豪雨や深い水たまりなどの場合は、水の排出が追い付かず、タイヤが水の上に浮いた状態になります。
一度ハイドロプレーニング現象が起きてしまうと、ハンドルを切ったりブレーキをかけたりしても車がコントロールを失って制御不能な状態になってしまいます。
原因2:雪道や凍結した路面
雪道では雪がタイヤの溝に入り込んでハイドロプレーニング現象が起きやすく、凍結した道はタイヤが滑りやすくなります。
特にアイスバーンはスタッドレスタイヤや滑り止めチェーンを装着していたとしても、スリップが起こりやすいため、特に慎重な運転が求められます。
アイスバーンの中でも特に注意したいのがブラックアイスバーンです。
夜間は濡れているだけの路面と見分けがつかないためスピードを落とさず進入してしまって大きな事故につながることがあります。
原因3:砂や土が多い路面
水と同様、スリップしやすい要素となるのが路面上の砂や土です。
タイヤの溝やタイヤと路面の間に砂や土が入り込むことでグリップ性能が低下し、ハイドロプレーニング現象と同じように車の制御が難しくなります。
また、雨の降り始めも路面に砂や土が浮いてスリップしやすくなります。
雨天時に砂や土が多い道での走行はさらに危険が高まるため注意が必要です。
雨や雪の日に心がけたい運転の注意点
雨の日や雪の日に、事前に注意することで事故が防げることもあります。
心がけたい運転の注意点は以下の通りです。
注意点1:雪の日はスタッドレスタイヤやチェーンを必ず装着する
スタッドレスタイヤとは特殊なゴムと溝を持つ、雪道・凍結路面用のタイヤです。
ノーマルタイヤよりも柔らかいゴムと路面の水分を除去するための細かな切り込みが入っていることで、氷に食いつくように設計されています。
タイヤチェーンは脱着可能な滑り止めであり、金属チェーンと、ゴム製、布製(特殊繊維)など非金属のタイプがあります。
雪道で、ノーマルタイヤでブレーキを踏んだ場合、スタッドレスタイヤよりも約1.3倍以上も制動距離が伸びるという実験の結果が発表されています。
ノーマルタイヤでは雪道や凍結した道を走ることはできますが、止まる事ができません。
とはいえ、スタッドレスタイヤやチェーンは必ずしも滑らないと確証できるものではありません。
ノーマルタイヤに比べて滑りにくい、というだけなので十分注意して運転をしましょう。
注意点2:急な車線変更や急ブレーキは行わない
急な車線変更や急ブレーキは間に合わないことがあるだけでなく、先行車や後続車と衝突の危険性があります。
「急」のつく操作は基本的に避けましょう。
注意点3:急なハンドル操作をしない
スリップしやすい環境では、急なハンドル操作で車の制御が効かなくなることがあります。
場合によってはその場で横回転してしまうこともあります。
急なハンドル操作は避けましょう。
注意点4:車間距離を長めにとる
ブレーキが効き始めてから車が完全に停止するまでの距離を、制動距離と呼びます。
雨の日や雪の日は、制動距離が長くなるので、車間距離を広めにとることを心がけましょう。
また、減速する際には、いつもより早めにブレーキを踏むようにし、ゆっくり動くことを意識してください。
注意点5:アクセルはゆっくりと踏み込む
発進する時はゆっくりとアクセルを踏み、減速するときもゆっくりブレーキを踏むのが、滑る路面でのもっとも重要な運転方法です。
注意点6:車の屋根に積もった雪は除雪してから運転する
車の屋根に積もった雪をそのままにして走行してしまうと、運転中にブレーキをかけた時などに、屋根からフロントガラスに雪が落ちてきて視界を遮ってしまうことがあります。
車の屋根に積もった雪は除雪してから運転しましょう。
注意点7:タイヤの状態を確認してから運転する
運転する前に、タイヤの状態を確認してから運転しましょう。
タイヤの空気圧は正常か、残り溝があるか、ヒビが入っていないか確認しましょう。
雨や雪で車がスリップしたときの対処法
車がスリップするとパニックになりがちですが、まずは落ち着いて対処しましょう。
もしスリップしたとしても、次の対処法をして立て直ししてください。
対処法1:パニックになってもハンドルやペダル操作で立て直そうとしない
スリップしてしまうとパニックになり、急ブレーキを踏んだり急ハンドルを切ったりしてしまいがちですが、それは大変危険です。
スリップは運転技術で立て直すよりも、タイヤのグリップ力が復活するのを待ちましょう。
次の対処法2、3を参考にしてください。
対処法2:急アクセル・急ブレーキ、急ハンドルなどの操作をしない
タイヤにグリップ力がない状態の中で急アクセル・急ブレーキ・急ハンドルなどの操作をすると、タイヤのグリップ力が戻った時に急発進や急な方向転換などが起こり、大事故に繋がります。
例えば、スリップ中の急ブレーキはタイヤがロックされるため、タイヤのグリップ性能が戻っても、また次のスリップを生むため危険です。
スリップの連鎖が発生すると立て直すことは難しいため、反射的に急ブレーキを踏むのは避けましょう。
また、スリップをしてタイヤのグリップ性能がない時に急アクセルや急ハンドルを行うと、タイヤのグリップ性能が戻った時に急発進や急な方向転換に繋がる危険性があります。
急ブレーキ、急アクセル、急ハンドルなどの操作は避けましょう。
対処法3:ハンドルはゆっくりと戻す
スリップをするとタイヤのグリップが効かなくなります。
タイヤのグリップが効かない時は何か操作をするのではなく、まずグリップ力が戻るのを待ちましょう。
ただし、大きくスリップしてしまった場合は、何もしないままでいると車がスピンしてしまうことがあります。
その場合は「カウンターステア」という車の操作が有効です。
カウンターステアとは、レースのドライバーなどが使うテクニックのことで、コーナリング時に旋回方向と逆の方向(カウンター)にハンドルを切る操作です。
この場合は、後輪が右側にスリップしていたら、ハンドルを右にゆっくりと回します。
逆に左側にスリップしていたら、ハンドルをゆっくりと左に切りましょう。
後輪が右に流れると車の方向は左側に傾いている状態になるので、まっすぐにしようとするなら右側にハンドルを回したくなるはずです。
急にハンドルを切るのではなく、ゆっくりと操作すれば段々とスリップが収まります。
スリップが収まったらゆっくりとハンドルを戻しましょう。
雨や雪の日に運転する前に用意しておきたいもの
雨の日や雪の日に備えて、車に用意しておくと良いものは以下の通りです。
スタッドレスタイヤ | 雪が降る地域では、秋になったら履き替えるようにしましょう。 |
タイヤチェーン | 色々な種類が販売されているので、自分の車のタイヤサイズに合ったものを用意しましょう。 |
スコップ | 車付近の積もった雪を取り除いたり、立ち往生して動けなくなった際に役立ちます。 |
スノーブラシ | 車に積もった雪を取り除くための道具です。一方がブラシ状で、もう一方が氷を削り取る形をしているのでマルチに使えます。 |
軍手・ゴム手袋 | チェーンの取り付け作業には汚れても大丈夫な軍手・ゴム手袋が便利です。
雪かきの際にも手袋があると作業が楽に行えます。 |
長靴 | 長靴があれば、雪や雨に足が濡れることなく作業ができます。 |
懐中電灯 | 夜間のトラブルや、チェーンの取り付け作業の際に便利です。 |
使い捨てのビニール足カバー | チェーン取り付け作業では膝まずいての作業になるので、汚れてもいいように使い捨てのカバーがあると便利です。 |
カイロや暖かい服装、毛布 | 雪道で立ち往生してしまった場合は、一酸化炭素中毒を防ぐために車のエンジンを切らなくてはなりません。
そのため、救護まで車内が冷えても大丈夫なように、防寒具が必要です。 毛布は雪道で動けなくなってしまったときにタイヤと雪の間に挟む物としても利用できます。 |
けん引ロープ | 動けなくなってしまった際に役立ちます。ロープ部が太く、金具がしっかりしたものを選びましょう。 |
ブースターケーブル | バッテリー上がりの際に使用します。気温が低い冬は、バッテリー上がりが起こりやすいです。 |
解氷剤 | 短時間でフロントガラスについた霜や雪を落としてくれるケミカルスプレーです。 |
雨や雪の日の運転は危険!少しでも不安を感じたら運転を控えるのも1つの選択肢!
雨や雪の日はスリップする確率が上がります。
どんなに気を付けて対策を打っても、スリップの確率を下げることしかできないので、完全に大丈夫ということはありません。
少しでも不安を感じたら運転を控えるのも一つの選択肢です。
車の運転は無理せず行いましょう。
\免許取得をご検討中の方へ/
-
前の記事
事故率が高い?高齢ドライバーの運転の傾向と安全運転するためのポイントを解説 2023.09.06
-
次の記事
ドライブレコーダーの活用方法とメリットとは?おすすめ製品も紹介 2023.10.25